私の師匠は蚊❓
80坪の畑を借りて毎年耕していますが、
5年ほどたった頃に東北大震災がおきました。
次の年、夏の暑い日。
私はワンサカ出て来る雑草と大汗💧かきながら格闘してました。
常に私の回りには8匹ぐらいの蚊が飛び回っていました。
ふと、手を休めるとヒザの上に1匹の蚊が止まっていました。
いつもなら、すぐ叩いてしまうのですが、なぜかその時は観察してしまいました。
うまく刺せないのか口の針をあっちこっち刺していました。
「んー、ここじゃないわね、ここか?」
顔を見るとなんとも困った様子。
すぐに血管を水脈といいますか、血脈を探し当てたようです。
すると、おんなじ顔ですが、
「おいしいわ、たまりません、最高よ❗」
という顔に見えました。
頃合いを見計らって、私は手のひらで叩きました。
先程まで私の血をチューチュー💛と嬉しそうに吸っていた、まさに数秒前の彼女が手のひらの中で
押し花のようになっているのです。
私は思いました。
彼女の人生というか虫生はいったい何だったのだろう?
雑草抜きの手が止まりました。
『まてよ、じゃあ俺の人生っていったい何なの?』
それから夕方まで自分が生きている意味を考え続けました。
自分のため?
子供たちのため?
親のため?
幸せのため?
となりのばあさんのため?
色々なことが頭を巡りグルングルン回ってしまいました。
答えがでませんでした。
一体私はなんのために生きているのでしょう?
ある日、震災のその後をテレビでやっていました。
想像もつかないほどの現実に東北の方々は置かれていました。
夢を断たれた子供達までいました。
その時、つぶれた蚊を思い出したのです。
「これだ❗」
「人のために生きよう❗」
意外と答えはシンプルでした。
蚊の彼女が教えてくれたこと。