ステップファミリー体験記はじまりはじまり
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おんなじ子供だけど全くの他人の子供を愛せるか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ステップファミリーってのは
どちらかにでも子供がいる人と一緒になる
結婚の形態のことをいいます。
うちの場合、バツ×2 子供3人の私と
バツイチ 子供2人の妻。
合計バツ×3 子供5人の物語です。
ホントに他人様の子供に向き合えるのか?
覚悟を持って受け入れました。キリッ❗
一戸建てなので子供の数分、部屋があったのがよかったです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私がバツ2になったわけ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最初の結婚はまだ20代の頃。
結婚とはなんぞや、訳もわからず
軽い気持ちで婚姻届を出しました。
特段、相手を好きでも嫌いでもなく、
「好きよ、好きよ、ブチュ💛」
などと迫ってくるので、
「しゃーねーなー」
ぐらいのノリでハンコを押したように覚えています。
いわゆるサイテーの男ってやつですね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
哲学者アボリジニおじさんとの出会い
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
新婚旅行はオーストラリア。
着いた次の日の朝。
妻は夕べの巨大カキにあたり、一晩中ゲーゲー
やってました。
なぜか早く目が覚めたので、寝ている新妻を残し
ひとり散歩に出かけました。
グレートバリアリーフを一望する海沿いを散歩し、
公園のベンチでタバコをふかしていると、大きなウミネコが1メートルのところまでやってきました。
近くでみるとやたらデカイ❗
「なんかくれ」的な顔でにらんでいます。
しばらくにらみ合いを続けていたら、今度は真っ黒い顔したおじさんが近寄ってきました。
オーストラリアは色んなのが近寄ってくるところだなあ~なんて思っていました。
『おー、おー、この人がアボリジニって人か!』
と、来る前に読んだ本で見たことを思い出しました。
急に興味が湧いてきて、つたない英語で話しました。
すると、どうもうちに来いと言ってるようでした。
オーストラリアの英語はAを「アイ」と発音するので、「Your name?」(ユア、ナイム?)となるのです。これに慣れるまで時間がかかりましたが、
真っ黒いおじさんに付いて行くことにしました。
おじさんの家は意外と近くにあり、フツーの家でした。ごっつい哲学者のような顔してましたが、とても優しい人です。
何やらゴニョゴニョ言っていたようでしたが、
こちらは訳もわからず「Ya-Ya-yah」とニコニコしてうなずいていたら、おじさんはなにやら嬉しそうに調理を始めました。
「まあ、いいか」
オーストラリアのテレビを見ながら待っていると
怪しげな物体の乗った皿を持ってきました。
「ん?」
私の頭の上には???はてなマークが浮かんできました。
それは紛れもなく巨大なイモムシでした。
白~いやつ!
おそらく、旨いから食え、食えばわかる❗
などと言っていたかはわかりませんが、結構な数の白いやつを指差して何やら教えてくれていたようでした。
あんなにうれしそうに作ってくれたおじさんに対して「ダメよ、ダメよ」などと言って拒絶したら、
おじさんはどんなに悲しむか。
子供の頃は蜂の子やタニシ、イナゴまで捕まえて食べていたので、ここで食べなければ日本男子でない。っと意を決した。
勧められるままに、目や吸盤のような足を見ながら
口に入れた。
「食感はイモムシだが、味はいける❗」
とてもクリーミーで何とも形容し難い味だが、いけるではないか!
哲学者のおじさんは顔がほころび、なんだか嬉しそう。
そんなこんなをしていたら、午前中は終わっていたのだった。
たしか今日の予定はなんとか島に船でわたる計画。
すっかり新婚旅行を忘れていた。
哲学おじさんに別れを告げ、そそくさとホテルに戻ると妻が予想どおり怒っていた。
ケータイも無い時代。
すっかりゲロから解放された妻は復活していたのだった。
「おまえもイモムシ食べた方がいい」
などと、訳のわからないことを言ったばかっかりに
火に油を注ぎ、ケンカばかりの新婚旅行だった。
日本に帰っても、おんなじようなことが続き、結局
1年も待たず、違う書類にハンコを押したのでした。
続く