ふっふっふっ、なぜ?

気づくとおもしろい生き方

親父のわけのわからないこだわり味噌❗

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実家の味噌がソコを突いたので、今年の味噌を仕込もうと親父に相談してみた。

いつも朝から大豆を炊いて、潰してグチョグチョにして、大量の塩と米こうじを入れて作っていたが、おふくろが別の世界に旅立ってからというもの、すっかりやる気をなくしてしまったようだ。

でも、スーパーで売っている発酵を止めるため高温にして麹菌を殺した、いわゆる「死に味噌」は食べるのはイヤだ❗っと言い出す始末。

そこでググってみると、あるではないか。
本物の味噌を売ってくれるところが!

すぐさま二人ともズボンをはきかえ早速行ってみる。

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こんなねえさんが、「えらっしゃい」と迎えてくれた。丁寧に色々教えてくれる、いいお店。

スッカリ親父は気に入ったらしく、40kgを買い込んで帰った。


爺さんの代から受け継がれてきた80年前の味噌ダルを洗う。

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「いいか、味噌って奴はバリケードじゃなくて、なんつーか、デリケートなんだ、ばかやろ」

親父のウンチクが始まる。

「銀座のおねえちゃんみたいに優しくしてやらねえと、ちゃんと発酵しねえんだ、ばかやろ」

銀座なんて行ったこともないくせに、なんでばかやろなのか、よくわからないが普段ヨレヨレの親父は生き返ったように生き生きしてきた。

「味噌ダル洗う時はな、昔からのタワシじゃないとダメなんだ、ばがやろ」


「おねえちゃんがここに住めるような気持ちでやらねえと居心地悪くてでていってしまうんだよ」

よくわからない。

タワシを探し始めた。


「おれも柄付きタワシのようなものなら持ってるよ」と言いつつズボンのチャックを開けて見せるが、聞いちゃいない。(むなしく閉める)


結局買いに行かされ、延々と一時間、味噌ダルを洗った。

実はこの味噌、半年待たないと熟成しないので、
半年待たないといけないのだ。

親父はガックリ肩を落とした。

あのねえさんの話を全く聞いていなかったようだ。


最後に味噌の上に蓋をして、重石を乗せないといけないが、「重さがたりないよ、ばがやろ」

千曲川に取りに行った。


これから半年、親父は死に味噌で暮らさないといけないのだった。


お店の紹介

http://www.koujiyasyouten.com/

都会なら床下収納で保存できるそうです。
ただ、あまりに暑いところは発酵が早く、黒くなるのでご注意とのことでした、